Twitterの時代です。
2006年に始まり、流行り始めてから数えても約10年。
日本のインターネットの主導権は未だTwitterが握っているように思えます。
大半のユーザーが実名を伏せているとはいえ、3年5年と続けていればそれはもはや匿名とは程遠い、もう一つの対外的人格となっていることでしょう。
そうして、「匿名」の時代が終わりを告げました。
今、あなたは本当に言いたいことが言えているでしょうか。
もちろん罵詈雑言、陰口、そんなマイナスな話題に限ったことではありません。
何を書くにしても、誰かが「私」がどういうことを書くか見ている。少なからずそれを気にしながら発言をしてはいないでしょうか。
Twitter上では、現実以上に他人との距離が近いです。知り合いだけでなく、テレビや作品を通してしか知り得なかった人とも相互にフォローし合うことができます。フォローされていなくても、思わぬ人に発言を拾われることもあります。
批判的なことを呟いたらブロックされてしまった。感想を書いたらまさかの本人からフォローが来て、嬉しいけどちょっと恥ずかしい。
そういった中で、作品について率直な感想を書くことのハードルが上がっていっているんじゃないかと、ふと思い立ちました。
「worth」は価値という意味ですが、「word of mouth」…口コミという言葉の略から取っています。
レストランに点数を付けたりするような「口コミサイト」は、英語では「review site」と呼ぶのが一般的なようです。
「レビュー」を書くのはとても大変なことです。他人に読まれることが前提ですから常に説得力のある根拠を用意しなくてはいけないし、投稿サイトなら採点することを迫られたりします。書いた内容について、他の人からコメントや「参考になった・ならなかった」を付けられます。
もっと気軽に、何の気兼ねもなく、誰にも気を使わず適当に感想を言うことのできる場が、あったらいいな、必要なんじゃないかな、もしかしたら自分以外にもそう思っている人がいるんじゃないかな。
はじめ僕は自分用に音楽の感想を書くブログを始めるつもりでしたが、そんなふうな思いから誰でも感想が書けるサイトを作ってみようと思ったのでした。
「worth」では色んなタイプの人が、色んなジャンルの音楽について、色んな形で感想を書ける場であることを理想としています。
最低限必要なのは、作品名と作者名だけ。感想は1行でもいいし0文字でもいい。140字じゃ何分割しても収まりきらない、大学のレポート並の文量になってもいい。
名前を名乗る必要は無いし、作品に点数を付ける必要も無い。付けてもいい。名乗りたい人は名乗ってTwitterのアカウントを載せたって構いません。
コメント欄や「いいね」は無いので、書いた内容について他人からとやかく言われることはありません。
書かれた感想へのリンクは自動的にツイッターに流れるので、「自分ではない誰か」の発言として発信することができます。それをシェアして「自分の言葉」にしてもらっても構いません。
真剣であるがゆえ口調が強くなってしまう批判も、知り合いだから恥ずかしくて直接言えないくらいの賛辞も、何だって書くことができます。
禁止事項は一つ。音楽の内容に関係無い誹謗中傷だけは絶対にしないでください。ただそれだけです。
Twitter型の人間関係が張り巡らされた今の時代、「レビュー」ではない「口コミ」、気軽に書かれた感想が、気軽に書ける場所があるということが、思わぬ価値を持つのかもしれません。
それでは、「worth」をよろしくお願いします。
2017年9月
管理人 カーシマ